私はこれまでの転職活動で、20社以上の一次面接を受けてきました。
加えて、転職活動以外でも自身の市場価値確認のために、月に数回面接・カジュアル面談をしています。
(ちなみに、正社員、アルバイトの人事・採用担当を5年経験しています)
これまでの経験から分かることは、「面接の質問内容は9割パターン化されている」ということ。
言い換えれば、質問内容は「どの会社でもほぼ一緒」ということ。
今回はその質問パターンの中で、100%聞かれる「自己紹介(自己PR)」の方法と対策を紹介します。
実際に面接通過した時の内容も含めて、具体的にお話ししたいと思います。
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転職面接とは何か
まず、転職活動における面接とは何でしょうか。
私は、
「相手(企業)が知りたいと思っていることを端的に、具体的に伝える場」
だと考えています。
ポイントは主語。
転職面接の主体は「受ける私たち」ではなく「聞く面接官(企業)」です。
面接は「わたしたちが語る場所」ではなく、面接官(企業)が「知りたい」と思っていることを伝える場。
企業が知りたいことを伝え、ニーズを満たす人材であることをしっかりアピールする必要があります。
「自己紹介(自己PR)=即戦力かどうか」を判断する質問
転職活動での面接において、「自己紹介(自己PR)」はほぼ100%の企業で質問されます。
(一面接次~最終面接まですべて聞かれます。)
質問される理由はただ一つ。
求職者が即戦力かを確認するため
この一点です。
面接官が聞きたいのは3つ。「経験・スキル・貢献できること」
「自己紹介(自己PR)」でやってはいけないこと、それは「本来の意味での自己紹介」。
「出身は〇〇で、大学は△△で…」という内容は企業は求めていません。
面接官が「自己紹介(自己PR)」で聞きたいのは以下の3点。
自己紹介(自己PR)で聞きたいこと
- 経験(これまで何をやってきて)
- スキル(どんな技術・技能があり)
- 貢献できること(どのように生かしていきたいか)
かどうかです。
その結果、「募集職種の業務を任せられる人間か」どうかを判断します。
もちろん、性格・雰囲気は入社後の定着性を図る上でとても大切ですが、自己紹介(自己PR)の場では必要ありません。
面接官を知りたい 「経験・スキル・貢献できること」を話せばO.K.です。
内容は職務経歴書と連動させよう
自己紹介(自己PR)内容は職務経歴書内容と連動させましょう。
面接官には事前の職務経歴書を送っています。
しかしながら、面接官は送った職務経歴書をサラッと読んだだけで面接望んでいる印象です。
実際は自己紹介(自己PR)と同時に職務経歴書を確認している面接官が多いんですね。
つまり、「自己紹介(自己PR)」と「職務経歴書」は同じ流れ、構成になっていないと面接官が混乱してしまいます。
自己紹介(自己PR)で聞きたいこと
- 自己分析をする
- その内容を職務経歴書に書く
- 職務経歴書の内容の要点を「自己紹介(自己PR)」として面接で話す
この順番通りに自己紹介(自己PR)を作成すれば、面接官も自己紹介をスムーズに受け入れてくれるはずです。
「自己紹介(自己PR)」は4つのポイントを守ると好印象
次に自己紹介(自己PR)のポイントを4つ紹介します。
自己紹介(自己PR)で聞きたいこと
- 「結論ファーストで短く」話す
- 「活かせる経験と実績を中心に」話す
- 「具体的に、数字と事実」で伝える
- 「何を考え、行動したか」を話す
「端的に、具体的に、知りたい内容を話す」ためにはこの4つを大切にしてください。
私が採用を担当していた時、この4つ守って話す方は全体の10%もいませんでした。
つまり、この方法を守るだけで他の候補者との差別化にもなりますし、好印象を与えられます。
順に説明します。
1.「結論ファーストで短く」話す
実は、面接では「話す内容」より「話し方」が大切です。
大切なのは「結論ファーストで短く」話すこと。
これはビジネスでは必須スキルであり、私も以前働いていた会社の社長から、徹底的に直された記憶があります。
結論ファーストで短く話さなければいけない理由は2つあります。
自己紹介(自己PR)で聞きたいこと
- 人間は、結論がわからない話にストレスを感じる。
- 面接官は、忙しい。
人間は、長い話をまとめるのが苦手です。
つまり、短く・端的に話さなければ、話を聞いてすらもらえません。
しかも、面接官は基本忙しいビジネスマンです。
貴重な時間を使って「とりとめのない話」を聞かされれば、気分が下がっていきます。
面接では「結論ファーストで短く」で話さなければ、話すら聞いてもらえなくなることを覚えておいてください。
逆にここにさえ気が付けば、面接の流れをぐっと引き寄せられます。
ポイント
「結論ファーストで短く」話さないと、面接で話を聞いてもらえなくなる危険性あり。
2.「活かせる経験と実績を中心に」話す
「自己紹介(自己PR)」では「企業で活かせる経験と実績」を中心に話をしましょう。
では、企業で活かせる経験・実績とは何か。
答えは「求人票」の中にあります。
「求人票」の中には必ず「仕事の内容」項目があります。
この「仕事の内容」はすなわち「採用後の仕事」であり、「この仕事ができれば採用する」という企業側の採用基準です。
例えば私が「経理の採用」に応募した際は、
求人票 | 私の経験・実績 | |
仕事の内容 | 【具体的な業務】 ● 経理業務全般 ●日次伝票や事業部からの申請チェック ●月次、四半期、年次決算業務 ●監査対応 ●予算管理、管理会計 | 【伝える経歴、経理系】 ●経理業務全般 ●日次伝票や事業部からの申請チェック ●月次、四半期、年次決算業務 ●監査対応 ●予算管理、管理会計 ●内部統制 すべて本社・子会社2社分を管理 【その他の経歴】 ・セールス ・Webマーケティング ・経営企画 |
このように、経理系の経歴を中心に話をしました。
少ないように見えますが、実際はこれで十分。
企業が求めている内容にフォーカスして、簡潔に回答しましょう。
(その他の職務経歴書に書いてあれば十分です。面接官が気になった場合は質問してくれます。)
ポイント
「求人票」の「仕事の内容」とリンクした経験・実績だけを話そう。
3.「具体的に、数字と事実で」伝える
経験と実績は具体的な「数字と事実」で伝えるようにしましょう。
数値と事実の、具体的な伝え方
- どんな課題に対して
- 誰と
- 何をして
- 結果どうなったか(達成数値必須)
面接官が聞きたいのは「あなたが何をしてきたか」であり、「何をしたいと思っているか」ではありません。
これまでの経験を、具体的に示すことが大切です。
これも私の経理系の面接時の回答例です。
やったこと | 曖昧な内容 | 具体的な内容 |
会計業務 効率化 | ・決算期間を短縮して、 残業が減った。 | 【課題】 ・決算業務開示までの期間の短縮、決算期の残業時間の短縮。 【誰と】 ・部下のメンバー3人。 【何をして】 ・営業システムから会計システムへの仕訳データ取込をマクロにより自動化。 【どうなった】 ・仕分作業が月間2,500件→170件と93%減少。 ・決算開示までの期間が10営業日→4営業日に6日間短縮。 ・残業時間が80時間→36時間に減少。 |
このように表現をします。
このように具体的に話をすれば、面接官も求職者の経験に納得しやすくなります。
面接官には頭を使わせず、可能な限りこちらから提示してあげるのが親切です。
ポイント
具体的な話は、面接官の納得感を高めよう。
4.「何を考えて行動したか」を話す
自己紹介(自己PR)では「何をした」だけではなく、「何を考えた(なぜその仕事をした)」というのも大切なポイントになります。
理由は、「仕事への姿勢」と「キャリアビジョン」を判断するためです。
仕事の姿勢やキャリアビジョンを判断するポイントは「視座」。
求職者が会社のどのくらい未来を見て仕事をしてきたのかという点ですね。
先ほどの経理業務の例えてみると以下のようになります。
視座(どのキャリアを目指す?)
「未来(会社経営・運営)」
決算期間を短縮し、会社の意思決定と投資判断を迅速に行えるようにしたい。
【少し未来(部門マネージャー)】
決算時間を短縮し、効率的な部門運営を目指したい。
【今(チームメンバー)】
業務負担を減らし、ワークライフバランスを改善したい。
非常に単純に分けるとこのような感じになります。
こちらも「求職表」に書かれているポジションより上の視座のエピソードを話せるよう心掛けましょう。
(リーダー、マネージャー候補にもかかわらず、「今の視座」で回答してしまうと、面接官は違和感を覚えます。)
ポイント
「仕事への姿勢、考え方」は、応募したポジションより上の視座のエピソードを準備しよう。
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まとめ
今回は転職面接で聞かれる「自己紹介(自己PR)」の方法と対策についてお話してきました。
自己紹介は面接の中でも一番最初に聞かれる可能性が高く、最も緊張しやすい場面でもあります。
これまでの自分のことをしっかりまとめたうえで、話すポイントや話し方を工夫し面接官に好印象を与えてください。
最初の質問を乗り切れば、緊張もほぐれ落ち着いてその他の質問に答えられるはずです。
ぜひ、本内容を参考に自己紹介を乗り切ってください。